検証の条件
検証対象は、年代別ポートフォリオの作り方で紹介している年代別モデル配分5種です。「株式・債券・金」の大枠を、ここでは株式=全世界株式、債券=米国債、金・その他=金として具体化しました。
- 期間:1990年〜2024年(35年間)
- 投資方法:100万円を一括投資し、その後は追加なし
- リバランス:年1回
- 通貨:円ベース(外国資産は為替変動込み・配当込みの概算)
数値はすべて、当サイトが公開している前提データを用いて ページ生成時に実際に計算したものです。
35年間の成績:5つのモデルの実測値
| 年代モデル | 100万円→ | 年率(CAGR) | 最大下落率 | 2008年単年 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 株85 / 債5 / 金10 ▶ この配分を試す | 1,456万円 | 8.0% | -40% | -36% |
| 30代 株75 / 債15 / 金10 ▶ この配分を試す | 1,414万円 | 7.9% | -34% | -32% |
| 40代 株65 / 債25 / 金10 ▶ この配分を試す | 1,350万円 | 7.7% | -28% | -28% |
| 50代 株50 / 債35 / 金15 ▶ この配分を試す | 1,226万円 | 7.4% | -21% | -21% |
| 60代〜 株35 / 債50 / 金15 ▶ この配分を試す | 1,071万円 | 7.0% | -14% | -14% |
※2008年単年は、リーマンショックの年に各配分が円建てでどれだけ動いたかの参考値(年次リターンの加重平均)。
データから読み取れること
リターンの差は意外なほど小さかった
最も攻めた20代モデル(年率8.0%)と最も守った60代モデル(年率7.0%)の差は、 年率でわずか0.9%でした。もちろん35年も複利で積み重なれば最終額には1,456万円 対 1,071万円という差になりますが、 「守りを厚くするとリターンが激減する」というイメージほどの差ではありません。 この35年は、債券や金にもそれなりのリターンがあった期間だったためです。
いっぽう「下落の深さ」は大きく違った
最大下落率は20代モデルの-40%に対し、60代モデルは-14%。 リーマンショックの2008年だけを見ても、株式85%の配分は1年で資産の約3分の1(-36%)を失った一方、 株式35%の配分の下げは-14%にとどまりました。 「若いうちはリスクを取れる」というセオリーの本当の意味は、リターンが高いからというより、この深い谷から回復するまでの時間を確保できるからだと、実データは教えてくれます。
開始年が違うと、結果はどれだけ変わるか
同じ配分でも「いつ始めたか」で結果は大きく変わります。各モデルを15年間だけ運用したと仮定して、 開始年をずらして計算しました(数値は年率リターン)。
| 年代モデル | 1990年開始 | 2000年開始 | 2010年開始 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 4.8% | 4.9% | 12.5% |
| 30代 | 5.5% | 5.3% | 11.5% |
| 40代 | 6.1% | 5.6% | 10.4% |
| 50代 | 6.6% | 6.1% | 9.0% |
| 60代〜 | 7.3% | 6.2% | 7.3% |
たとえば20代モデルの15年運用は、1990年開始なら年率4.8%、2010年開始なら年率12.5%。開始タイミングによる差は、配分の違いによる差よりずっと大きいことがわかります。 開始年は自分では選べないからこそ、どの時代でも致命傷を避けられる配分(=自分が続けられる配分)を選ぶことが重要です。
「◯◯代だからこの配分」を鵜呑みにしない
この検証は「年代別モデルが過去にどう動いたか」を示すもので、「あなたに最適な配分」を示すものではありません。 同じ40代でも、収入の安定性・すでにある資産・性格によって取れるリスクは違います。 年代別モデルは出発点として使い、年齢以外に考えるべき要素と合わせて調整してください。
まとめ:自分の年代の配分を、自分の目で確かめる
過去35年の円建てデータでは、(1)年代別モデル間のリターン差は年1%程度に収まった、 (2)下落の深さは配分によって3倍近く違った、(3)開始年の影響は配分の影響より大きかった——という結果でした。 これは過去の一つの歴史にすぎませんが、「自分はどこまでの下落なら耐えられるか」を考える材料になります。
上の表の「この配分を試す」から、各モデルをそのままシミュレーターに読み込めます。 積立額や期間を自分の条件に変えたり、モンテカルロ(将来予測)で幅を確認したりして、納得のいく配分を見つけてください。