株式(エクイティ)
株式は企業の所有権の一部です。企業が成長すれば株価の上昇や配当という形で その恩恵を受けられるため、長期的には最も高いリターンが期待できる資産クラスです。 S&P500(米国の代表的な500社)やNASDAQ100、全世界株式などのインデックスファンドが 手軽な投資先として人気です。
一方で値動き(ボラティリティ)は大きく、年によっては40〜50%下落することもあります。 この変動に耐えられるだけの時間的・精神的な余裕があるかが、株式比率を決めるポイントです。
債券(ボンド)
債券は、国や企業にお金を貸して利息を受け取る「借用証書」です。 株式よりリターンは低めですが、値動きが小さく安定しています。 とくに先進国の国債は、株式が下落する局面で買われて価格が上がる傾向があり、 ポートフォリオの「クッション」として働きます。
日本国債は利回りこそ低いものの元本保全性が高く、米国債は利回りが高い反面、 為替(円高・円安)の影響を受ける点に注意が必要です。
金(ゴールド)
金は利息も配当も生みませんが、それ自体に価値が認められてきた実物資産です。 インフレや通貨価値の下落、地政学的な危機に強く、株式・債券との相関が低いため、 ポートフォリオの分散効果を高めます。
「株も債券も同時に下がる」局面(たとえばインフレ局面)でも価値を保ちやすく、 全体の一部(数%〜10%程度)に組み入れることで、守りを固める役割が期待できます。
REIT(不動産投資信託)
REITは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、物流倉庫などに投資し、 その賃料収入を分配する金融商品です。少額から不動産に間接投資でき、 比較的高い配当利回りが魅力です。
ただし、金利が上昇する局面では価格が下落しやすいという弱点があります。 株式に近い値動きをすることも多く、「もう一つの株式」として位置づけると考えやすいでしょう。
現金・預金
現金は増えませんが、減りもしません(インフレを除く)。 暴落時に「安く買い増す」ための待機資金として、また生活防衛資金として重要です。 ポートフォリオに一定の現金を持っておくことで、急な出費で投資商品を 不本意なタイミングで売らずに済みます。
実績データで見る各資産の35年(1990〜2024年・円建て)
性格の違いは、実績の数字で見るのがいちばん分かりやすいはずです。 当サイトが公開している円建て年次リターンから、主要資産の35年間の成績を計算しました。
| 資産 | 年率(実績) | 最良の年 | 最悪の年 | マイナスの年 |
|---|---|---|---|---|
| S&P 500 | 10.9% | +55% | -44% | 9回/35年 |
| NASDAQ 100 | 14.5% | +80% | -54% | 9回/35年 |
| 全世界株式 | 8.0% | +47% | -43% | 9回/35年 |
| 新興国株式 | 5.5% | +75% | -55% | 13回/35年 |
| 日経225 | 0.3% | +57% | -42% | 15回/35年 |
| 日本国債 | 2.9% | +13% | -1% | 1回/35年 |
| 米国債 | 5.5% | +27% | -12% | 10回/35年 |
| 金 | 5.3% | +36% | -22% | 13回/35年 |
| J-REIT | 6.8% | +80% | -50% | 13回/35年 |
| 米国REIT | 10.0% | +58% | -50% | 10回/35年 |
| 円キャッシュ | 0.1% | +1% | 0% | 0回/35年 |
この表からは教科書には載っていない実感が読み取れます。 たとえば同じ「株式」でも、S&P500は年率10.9%だった一方、 日経225は年率0.3%——バブル崩壊後の長い低迷を含むため、35年持ち続けてもほぼ横ばいでした (詳しくは過去35年の大暴落の記事で検証しています)。 また日本国債はマイナスの年が1回しかなく、値動きの小ささは実績でも際立っています。 単体で見れば地味な資産にも、組み合わせの中では明確な役割があります。
役割のまとめ
| 資産クラス | 期待リターン | リスク | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| 株式 | 高 | 大 | リターンの源泉(攻め) |
| 債券 | 低〜中 | 小 | 安定・株安時のクッション |
| 金 | 中 | 中 | 危機・インフレへの保険 |
| REIT | 中〜高 | 中〜大 | 配当・もう一つの成長資産 |
| 現金 | ほぼ0 | 極小 | 待機資金・生活防衛 |
これらを自分のリスク許容度に合わせて組み合わせるのがアセットアロケーションです。 実際にいくつかの配分を本ツールでシミュレーションし、リターンと下落幅のバランスを比べてみましょう。